人は何かしらを通して自分を表現したいという
欲求を持っている。
文学や音楽、絵画といった芸術、ファッションや何かの運動なども
そうした欲求を満たすものだ。
その欲求の根っこにあるのは、自分とは何者か?
という問いなのだと思う。
いくら鏡を見ても答えはわからない。
誰かに尋ねたとしても明確に答えてくれる人は少ない。
だから、自らが生み出したものを客観的に見ることで、
答えに近づこうとしているような気がする。
私は絵や音楽に興味はあるけれど、自分を表現するまでには遠く及ばない。
だから書くことが最も自分の欲求に叶う手段だと思っている。
二十年以上前にNHK学園の通信講座で短歌を学んだことがあった。
1ヶ月に3首作って提出、というような課題だったと思う。
毎回、返却された作品には丁寧な添削がされ、とても勉強になった。
NHK短歌という番組に自分の作品を投稿するのが目標だったが、
途中で挫折してしまった。
今でも、心が動いた時には短歌を詠んでみたいと思ったりする。
今日は好きな短歌を書き記しておく。
夏蝶の 屍(し)をひきてゆく 蟻一匹 どこまでゆけど わが影を出ず