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七瀬ふたたび

YouTubeの「おすすめ」にドラマ『七瀬ふたたび』が表示された。

懐かしさのあまり、すぐにその第1回を再生して見た。

昭和47年から58年にかけて、NHK総合で夕方6時から放送された

「NHK少年ドラマシリーズ」というのがあった。

海外ドラマやホームドラマ、ファンタジー、SFなど様々なジャンルの作品が

99作品放送された。

当時、夢中になってみた記憶がある。

随分大人になってからも、もう一度見てみたいと思ったものが

いくつかあった。

特にSFものが好きだった。筒井康隆や眉村卓などの作品だ。

中でも、もう一度見たいと思っていた作品が、筒井康隆原作、

多岐川裕美主演『七瀬ふたたび』だった。

昭和54年に放映されたドラマで、超能力者ゆえに迫害される主人公、

七瀬をめぐる物語である。

今でも印象に残っているのは、主人公七瀬を演じた多岐川裕美の美貌だ。

その透明感とクールな美しさは、それまでの「ドラマシリーズ」出演者とは

一線を画していた。

当時中学1年だった私は、「こんなにきれいな人がいるのか」と心底驚いた。

そしてエンディングで流れていた主題歌が、ずっと頭の片隅に残っていた。

覚えていたのは、「今日もそっと待っている白いヒヤシンス」という

最後のフレーズだけだったが、その物悲しい雰囲気が好きだった。

何とかしてもう一度聞けないものかと幾度となく思ったものだった。

さて、40数年ぶりに見たそのドラマは、ちょっと拍子抜けするくらい

単調なストーリーだった。

あの頃感じた斬新さは、今はすっかり古臭いものになっていた。

ただ、多岐川裕美の美しさは記憶のままだった。

そして主題歌『風信子(ヒヤシンス)どこへ』をフルコーラスで聞けたのが

なにより嬉しかった。曲の雰囲気も記憶のとおりだった。

改めて聞くと、ドラマの雰囲気によくマッチしていたことに気付かされる。

これから、全13話のこのドラマ全てを見るかどうか、まだわからない。