1999年のNHK・BS特集「エンデの遺言〜根源からお金を問う〜」を見た。
『モモ』で知られる作家、ミヒャエル・エンデが
亡くなる1年前に遺したメッセージである。
「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と
株式取引所で扱われる資本としてのお金は
2つの全く異なった種類のお金である」
このことを私達は認識しなければならない、とエンデは言う。
お金は元々、ものや労働の交換手段でしかなかった。
それがいつしか、財産や資産という機能を持ち始め、
貯めこまれるようになっていく。
さらには、資本や投機の機能も与えられ、
市場で数字となって駆け巡るようなった。
現在の貨幣システムの何が問題で、
何を変えなくてはならないか、
その問いの重大さをエンデは訴えていた。
人が幸せのためではなく、お金のためだけに
あくせく働く先に待っているものは何なのだろう。
もし、今の貨幣システムが大転換したら、
どんなことが起きるのだろう。
怖いような、楽しみなような。
そんな未来を覗いてみたいとも思う。